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実写版『タイガーマスク』で監督デビューを果たし、前作の『太秦ライムライト』で注目を浴びた落合賢監督の最新作『NINJA THE MONSTER』。主演にディーン・フジオカ、姫役に森川葵を迎えた本作は、松竹が若手を支援する「ブルーラインレーベル」で初めて海外マーケットに向けて制作された意欲作でもある。この作品に全力を込めた落合監督にインタビュー。

「負けない、でも勝ちもしない」
王道とは一味違った忍者映画になりました

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―― 「忍者×モンスター」の映画と聞くと、従来のイメージからはアクションを連想しがち。しかし作品は、アクションだけでなく、一人の男が居場所を探し求めるヒューマンドラマが描かれていた。

「まだ監督としてスタートラインに立たせてもらったばかりなので、こんなことをいうのは大変恐縮ですが……今までの監督作品には、短編・長編含めほぼ必ず『主人公が自分の居場所を探し求める』という普遍的なテーマに重きをおいています。今回の作品も例外ではなく、忍者禁止令の中、存在すら否定された忍びと、藩を救うために半強制的に江戸に行かされる姫が、短い旅路の間で寄り添いあっていきます。日本で生まれ育ち、19歳からアメリカに住んでいる僕にとって、“居場所を求める旅”というのは、人生を通しての問いかけであり、それが色濃く映画に反映されているのかもしれませんね」

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―― アクションありCGありにもかかわらず、本作で描かれるものはリアリティのある世界観。「フィクションと現実感のバランスについても模索した」と話す。

「モンスターが出てくるということもあり、フィクションであることは避けられないのですが、忍者やモンスターを出来るだけリアルな方向で描こうという結論になりました。そのために撮影も全て手持ちのカメラでドキュメンタリーのような形で撮影しています。僕と撮影監督の二人でカメラを同時に回し、主人公たちの旅を追いかけるカメラクルーのようなテイストにしました。久しぶりに自分でカメラを回したので、いつも以上に緊張していました。また、照明も出来るだけ自然光のみにしたことで、作品の現実感が増したと思います。ただ、あまりに現実的すぎると、モンスターが画とマッチしないので、映像のグレーディング(色調整)では、森や衣服の色彩が現実とは違った雰囲気を醸し出すように特殊な加工をしました」

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―― 繊細な手仕事によって描かれる壮大な世界観も作品の見どころのひとつ。また、ストーリーに役目を果たすために奔走する人々の姿も描かれている。そんな日本人の美徳について思うところとは?

「映画制作や個人的な旅行を通して、様々な国の多種多様な人種や文化に触れさせて頂いた経験のなかで、“日本人の美徳”のユニークさ、また多くの多文化と共通している部分について少しずつ気づき始めました。この作品で繰り返し出て来る『役目』という言葉は、他国と比べても責任感が非常に強い日本人にとって関わりの深いものだと思います。幸姫は、『太陽が昇らなければ、人は影を背負うことなどないのでしょうね』と、役目を避けられない黒い影に例えていますが、伝蔵は『役目とは覚悟だ』と、強い意志を持って受け止めるものだ、と捉えています。役目に対する見方は違えども、どちらも自分の命をかけて「役目」を果たさなければいけない、という意識をもっており、そこから生まれる強い責任感が日本人の美徳の一つなのかもしれません」

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―― 前作『太秦ライムライト』に取り組むにあたっては、東映時代劇を観たり、撮影前に京都で過ごしたり、お忍びで殺陣教室にも参加した落合監督。本作にも、前作での経験が役立った部分が大きかったようだ。

「『NINJA THE MONSTER』を作るにあたって、『太秦ライムライト』での経験は様々な面で活かされました。「太秦ライムライト」は時代劇を制作する職人さんたちを描いた現代劇でしたが、その過程の中で、時代劇を制作する大変さを勉強させていただきました。鬘をつけるにも、着物を着るのにも、現代劇の倍近くの手間と時間がかかりますし、それによって出てくる制作時間の制限なども考慮しなければならないこと。立ち振る舞いや、殺陣についても『太秦ライムライト』で、一度経験していなければ、『NINJA THE MONSTER』は違った作品になっていたと思います。どちらの作品に共通して言えるのは、太秦の経験豊富な職人さんに支えられて、やっとこの作品が出来たということです」

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―― 「モンスターが出てくるファンタジー時代劇を監督するということが大きな挑戦」だったと振り返る。

「もともと、モンスター映画は大好きなのですが、この手のジャンルの王道である“主人公がモンスターと戦って勝つ”という展開にはしたくなかったんです。僕の勝手な人生観ですが、「負けない」ということは、非常に大切なことだと思いますが、「勝つ」ということが必ずしも必要かというと、そうでない気がしてならないんです。なので、「負けない、でも勝たないモンスター映画」で観客の方々に満足していただくというのが、目標でした。海外の上映では、もっと忍者とモンスターのバトルが見たかったというご感想を頂いたりもしましたが、中には一味違ったモンスター映画で面白かったと仰って頂いたので、僕自身も「負けてないけど、勝ってもない」のかもしれませんね(笑)」

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―― 主演の伝蔵は、今や人気俳優の一人となったディーン・フジオカさん。彼との出会いを教えてもらった。

「僕がディーンさんと初めてお会いしたのは、5年以上前になります。第一印象は、物腰が柔らかいのに、非常に芯の強い方だなという感じでした。それからしばらくして、ジャマイカ料理を一緒に食べることになり、ディーンさんの生い立ちや人生観を知れたのですが、中国、台湾、インドネシア、アメリカなど様々な国を股にかけてご活躍されていることもあり、幅広い知識や様々な武芸の嗜みなどを本当に引き出しの多い人なんだな、と感動しました。その時、必ず一緒に仕事をするためにお互い頑張ろう、と約束したのですが、この映画は、お互い努力すれば夢は叶えられることの証なのかもしれません」

―― 監督から見たディーンさんの素晴らしさとは?

「ディーンさんは感覚だけに頼るのではなく、リサーチやトレーニングをしっかりと行い、時間をかけて丁寧に役作りをしていくタイプの役者さんで、撮影前にも伝蔵の背景や心意について様々な可能性を語り合いました。現場でも色々なアイディアを出してくれるので、次のテイクはどんな伝蔵の一面を見せてくれるのだろう、とモニターの前で一観客として、ワクワクしていました。狂気じみた村人たちとのバトルシーンでのディーンさんは特に活き活きとしてましたね。深夜の撮影にもかかわらず、疲れを見せるどころか、回数を重ねるごとに完成度を上げていき、難しい殺陣をほぼNG無しでこなしていくディーンさんのスタミナと集中力は驚嘆しました。 また、ろうそくの光がどんどん消えて暗くなっていく設定だったので、終盤ではほぼ真っ暗になっており、足場の悪い小屋で鋭い立ち回りをするディーンさんの運動神経はアクションチームも感心してました」

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―― ヒロインである森川葵の印象や、撮影中のエピソードを聞いた。

「幸姫役のオーディションに来て頂いた星の数ほどの女優さんの中でも、森川さんのお芝居は一番輝いていました。森川さんが演じられる幸姫を観客の一人としてぜひみてみたい、と感じ、プロデューサーの秋田さんや脚本家の土橋さんとも意見が一致しました。京都の凍える寒さにもかかわらず、薄着で必死に耐えながらお芝居をする葵さんの毅然とした姫姿は、ディーンさんの忍者姿に負けず劣らずかっこよかったです。作品上で紅一点の女性キャラでしたが、男性スタッフの多いこともあり、現場でも姫、と呼ばれていましたね。感情的なお芝居が素晴らしかったのはもちろんのこと、ただ歩くだけのシーンでも姫の感情の機微が手に取るようにわかるような繊細なお芝居をされていたには感動しました。ディーンさん演じる忍者に少しずつ惹かれていくのが、森川さんの大きな瞳を通して観客に伝わっていったのではないか、と思います。撮影時はまだ10代でしたが、作品が完成してからお会いして、すごく大人になっていたのにも驚きました。またお仕事をご一緒させて頂きたい素敵な女優さんの一人です」

―― 最後に読者へのメッセージを。

「初めての時代劇監督作ということもあって、荒削りな部分も多々ありますが、主演のディーンさんや森川さんの新たな一面を描いた一風変わった忍者映画に仕上がったと思います。もともとこの作品は劇場で公開する予定がなかったにもかかわらず、こうして公開が決まっただけでなく、延長、拡大が決定したのは、この作品を見たいと仰ってくれる観客の皆様のお陰です。思い入れの深い作品なだけに感無量です。本当にありがとうございました!まだまだ都市によっては、上映が決定していないところもありますが、引き続きご声援していただきますよう心よりお願い申し上げます」


Writing:長嶺葉月

インフォメーション

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(C)2015 松竹

MOVIE

『NINJA THE MONSTER』

絶賛公開中!


幕府が「忍者禁止令」を出し、忍者がすでに存在しないと思われていた時代。藩の窮状を救うべく、幸姫(森川葵)の一行は江戸に向かっていた。だが地元民の反対を押し切って入った山道で、えたいの知れない「もののけ」に襲われる。忍者であることを隠していた家臣の伝蔵(ディーン・フジオカ)は幸姫を救い出すが、道中にはさらなる困難が待ち受けていた――。

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