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映画やドラマのロケ地としても有名な、東京・吉祥寺にある井の頭恩賜公園。今年、開園100周年を迎える歴史ある公園を舞台に、1曲の音楽に込められた思いを過去から現在、そして未来へとつないでいくファンタジックな映画が完成した。舞台となった吉祥寺とは縁が深い瀬田なつき監督と永野芽郁。思い出話とともに撮影秘話を聞いた。

公園にはそこにいる人の数だけ物語や思い出がある。
そのひとつを形にしました

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――今作が初顔合わせとなるふたり。お互いの印象は?

瀬田なつき「物語のキーパーソンとなるハル役を探しているときに『俺物語!!』を観たんです。永野さんが演じたヒロインの真っ直ぐで一生懸命なんだけど、どこかふわっとした感じがハルに通じるところがあり、お会いしてみたいなと思っていました。永野さん以外にもオーディションで数人お会いしましたが、永野さんの持つ軽やかさや、柔軟さ、発想がハルに魅力を持たせてくれると思い、お願いしました」

永野芽郁「瀬田監督もふわっとしたところがありますよね。最初にお会いしたときに、不思議なオーラを感じました(笑)」

――不思議といえば、ハルの存在。亡き父親の元恋人を探すため古い写真を手がかりに、井の頭公園を訪れるハル。写真と同じアパートを探しあて、現在の住人のもとに突撃していくのだが……。物語が進むにつれて実在するのかどうか、わからなくなっていく。

永野「私も実在するのか、小説の中の人物なのか、わからないまま演じていました。完成した映画を観終わったら余計わからなくなっちゃって。でも、そこがこの映画のいいところかなと思います。人それぞれ解釈が違う終わり方って素敵ですよね」

瀬田「そうですね。見たままを受け取ってもらってもいいし、その先のストーリーを作ってもらってもいい。余韻のある終わり方になっていると思います」

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――とらえどころのないハルを演じるのは難しかったのでは?

永野「周りからは“どんな女の子なんだろう”ってつかみどころがないように思われるけれど、自分と似ているなって思っていて、“共感できる”を超えてハルは自分だと思いながら演じていました」

瀬田「考えれば考えるほどわからなくなる難しい役だったと思うんです、ハルって。脚本を書きながら、どう形にしていったらいいか迷いもあったのですが、思い描いていたハルを永野さんが見事に表現してくれました」

永野「ハルの自由なところがまさに自分!だったので、演じやすかったんです。それに、監督は細かく指示を出すというよりも、道筋を作ったうえで演じる側にゆだねてくれるから自由な発想で演じることができました」

瀬田「ひとつひとつ動きを固めてしまうよりは、本職である役者さんたちに任せるのがいいと思っています。いい意味での裏切りというか、こんな動きが出てくるんだ、そんな表情もあるのかと想像を超える動きがどんどん出てきて面白かったです」

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――公園やアパートでの自然なやり取りを引き出すため、雰囲気づくりにもこだわった。

瀬田「現場で作り上げていけたらという思いは常にありました。もちろん脚本はあるけれど、それに役者さんたちの動きがプラスされていく様子にワクワクしました。3人のリアクションが本当にいいんですよ。みんなで相談とかしてたんですか?」

永野「いいえ。撮影前に橋本(愛)さん、染谷(将太)さんと芝居の話は全くしませんでした。カメラの前に立つと自然と集中力が高まっていくんです。橋本さんと染谷さんはアドリブがポンポン出てきて、予想もしない動きをするので、私はそれになんとかついていった感じですね。セリフはあるけれど、3人の雰囲気とか間はあの瞬間にしか出せないものだから、スクリーンからでも感じてもらえると思います」

――舞台の中心となる井の頭公園はもちろんのこと、吉祥寺の街並みも楽しめる映画だ。

瀬田「純(橋本愛)が住んでいるアパートの場所にはこだわり、井の頭公園のそばで探してもらいました。トキオ(染谷将太)の家も、寺田さん(麻田浩)の家も全て公園の周辺にあるんですよ。スタッフは大変だったと思いますが、そのリアルさが映画に彩を添えてくれました。なるべく今、この瞬間をおさめたくて照明も作り込まずに自然光で撮影をするようにしていたんです。何年か先にこの映画を見たときに2016年、2017年の井の頭公園ってこんな公園だったんだという記録になればという思いもありました。アパートはとても風通しがよくて、その風もストーリーの中でカギとなるので注目して観てもらえるといいですね」

永野「私にとって吉祥寺はスカウトされた場所なので、とっても思い出深いというか大切な場所のひとつです。井の頭公園も子供のころ、家族や友人と訪れていたので、撮影しているのが不思議な感覚でした。橋本さんと公園内や吉祥寺の街を走るシーンが多くて、大変だったけど楽しかったので、思い出のひとつに加わりました」

瀬田「私も学生時代に吉祥寺のバウスシアターによく通っていたので懐かしかったです。終電間際にサンロードを走ったりもしました。バウスシアターは2014年に閉館してしまいましたが、オーナーである本田拓夫さんがこの映画の企画を立ててくださって。ゼネラルプロデューサーの樋口泰人さんからオファーがあったときは驚きましたが、ぜひやらせてくださいと即答しました」

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――映画のなかでは「音楽」が過去からのメッセージとして重要な役割を担っているが、瀬田監督にとっては映画そのものが、先輩たちから受け継ぎ、そして未来へとつないでいくバトン(メッセージ)だ。

瀬田「少しカッコよすぎるかもしれないけど、確かにそうです。本田さんの“吉祥寺の映画文化を残したい”という思いに応えて、井の頭恩賜公園100周年の記念作品として作り上げることができたのは光栄なことだし、未来へとつないでいくことに少しでも携われたのは嬉しかったです。もちろん私だけでなく、関わったスタッフ、永野さんをはじめ若いキャストのみんなも先輩たちからのバトンを受け取ってつないでいっていると思います」

永野「私はまだまだ受け継ぐところには達していないけど……。子供のころから祖母に編み物を教わっているんです。祖母の技術を受け継ぐことができたらうれしいなって思います」

瀬田「永野さんって多趣味ですよね。ギターやドラムもできるんですよ。ダンスも上手でしたし」

永野「ダンスはダメですよ~(笑)」

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――途中までしか聴くことのできない50年前に作られた音楽を、現代の若者が思いをつないで完成させていく。クライマックスシーンでは意外な展開に!?

瀬田「トクマルシューゴさんが作ってくれた劇中歌『PARK MUSIC』がとても素敵で、踊り出したくなる感じなんです。ネタバレになりますが、ミュージカルっぽい仕上がりになっています。永野さんのダンスも必見です」

永野「ちょっと踊ってみてくださいと言われて……。一瞬戸惑いました(笑)。ノリのいい曲なので、映画を観た人も体が自然に動くと思います」

――ストーリーに彩を添える音楽にも注目したい映画だ。最後に見どころを。

瀬田「井の頭恩賜公園に行ったことがある人も、そうでない人も楽しめる映画になっています。誰もが親しんだ公園があると思うので、置き換えてみてもらえればと。観る人によってとらえ方が異なる終わり方なので、ハルは実在するのか、しないのか、その先のストーリーは……と考えるのも楽しいかなと思います。突然現れた女の子・ハルが純やトキオの背中を知らず知らずのうちに押したように、この映画が誰かが一歩踏み出すきっかけになったら嬉しいです」

永野「公園でゆっくりと自分の時間を過ごすように、リラックスして観られるし、観終わった後にあたたかい気持ちになれる作品です。家族と話をしたくなるし、あまり話したことがない同級生やバイト先の人と話をしてみようかなと思えるはずです。ハルと純、トキオも知らない人同士がひょんなことから知り合って、曲を作りながら濃い時間を過ごしていったように、色々な人と関わりを持ちたくなると思います。ハルは突然現れて、突然消えていくけれど、そこは深く考えないほうが面白い気がしています」

瀬田「短い期間の冒険物語でもありますね。青春ですよ! 映画館を出るときはつい鼻歌を歌いながらスキップしたくなる、そんな作品です」


Writing:岩淵美樹

インフォメーション

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MOVIE

『PARKS パークス』

4月22日(土)よりテアトル新宿にて公開中!
4月29日(土)吉祥寺オデヲン ほか全国順次公開


井の頭恩賜公園が今年5月に開園100周年を迎えることから企画された映画。井の頭公園脇のアパートで暮らす大学生・純(橋本愛)の元に、亡き父の元恋人を探しているという高校生のハル(永野芽郁)が突然訪ねてくる。純とハルは家を探し当てたが、彼女はすでに亡くなっていた。元恋人の孫・トキオ(染谷将太)が遺品の中から1本のオープンリールテープを見つけ、再生してみるとラブソングが流れてくる。テープが劣化して途中までしか聴くことができない曲の続きを3人で作ろうとするが……。

▼公式サイト



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